スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.09.12 05:33
更新日: 2019.09.12 06:42

ホンダがNSXをFR化する大決断。清水MS部長「社内で議論があったのは事実。ファンの皆様のためにも必要だと判断しました」


スーパーGT | ホンダがNSXをFR化する大決断。清水MS部長「社内で議論があったのは事実。ファンの皆様のためにも必要だと判断しました」

「2017年に発売しましたNSXをベースに、新たに技術規則クラス1に完全に準拠したスーパーGT車両を来シーズンからGT500クラスに投入することを発表いたします」

 ホンダのモータースポーツ(MS)部、清水宏部長が9月11日に鈴鹿サーキットで行われたメディア向けの2020年GT500クラス車両の発表会で、2020年のスーパーGT500クラスをFR(フロントエンジン・リヤドライブ)化したNSXで戦うことを発表した。清水宏MS部長、そして車両開発担当の徃西友宏氏にFR化したNSXとスーパーGTへの思い、そして開発の苦労の一端を聞いた。

 来季からスーパーGTはドイツのDTM(ドイツ・ツーリングカー選手兼)と車両規則が共通化される『クラス1規定』の導入によってFR車両のみの参戦となる。そのなかでミッドシップ+前輪モーター駆動による四輪駆動のNSXは参戦継続が懸念されていたが、ホンダはフラッグシップモデルでもあるNSXの駆動方式をFR化して対応。スーパーGT500クラスの3メーカーが7年ぶりに同一条件でレースを戦うことになったのだ。

 これまで市販車だけでなく、スーパーGT500クラス、そしてGT300クラスなどに参戦しているGT3マシンを含め、ホンダNSXはMR(ミッドシップエンジン・リヤドライブ)を一貫して採用してきたが、来季2020年のスーパーGT500クラスにはNSXのアイデンティティでもあったMRの駆動方式を変更するという、大きな決断を経ての参戦となる。そこにはホンダのスーパーGTへの並々ならぬ思いが込められている。

「決断の最大の理由は、ホンダが決めたというよりもレースのレギュレーションが変わるということで、我々としてレースに参戦するからにはレギュレーションに準拠しなければいけないというところから判断をしています」と清水部長。当然、MRからFRへの駆動方式変更の決断に至るまでにはさまざまな調整や苦労があった。

「もちろん、社内ではオリジナルのミッドシップを変えるということで議論があったのは事実です。ただ、冷静に周りを見渡してみると日本だけでなくドイツでも、たとえば市販車は四駆でもレースでは違うなどいろいろな駆動方式がありますよね。各メーカーともにモータースポーツではそのような駆動変更を行っているわけですし、クラス1規定で戦うにはファンのみなさまのためにも必要なことだと判断いたしました」

 ホンダとしても、国内だけでなく国際的にも成功している世界最高峰のハコ車レースであるスーパーGTを支え、ファンを増やして発展させたいという願いもある。

「スーパーGTは昨年、2018年の実績でも国内で40万人のお客様がサーキットに足を運んで下さっている。世界的に見てもかなり大きなカテゴリーになっているのは事実ですから、そのカテゴリーからホンダがいなくなるということはできないという考えからも決断しています」と清水部長。まずはホンダがスーパーGTへの参戦を継続するとともに、NSXのFR化という大決断に至ったことは、国内だけでなく世界的にも多くのモータースポーツファンが歓迎しているに違いない。

 スーパーGTに参戦しているホンダの現場スタッフ、HRD Sakura研究所のスタッフたちにとってもFR化はうれしい面が多い。

 昨年はミッドシップハンデとしてNSXには昨年の開幕時で+14kg、今年の開幕時で+29kg、ニッサンGT-R、レクサスLC500より重い最低重量となっただけでなく、FRとMR(ミッドシップ)では重量配分の面でも同一になることは本質的には不可能だった。NSXはこれまで勝っても負けても最低重量の違いやミッドシップであることに触れざるを得ないことがあり、現場のスタッフとしてもイコール条件で自分たちの技術を証明して戦いたいという思いは強かったに違いない。

 NSXではないが、これまで過去にはホンダは4シーズン、FR車両でスーパーGTに参戦した期間がある。2010年から2013年にかけて、ホンダはHSV-010の車両でGT500クラスに参戦した経験がある。

ホンダが2020年のスーパーGTに投入するNSX-GT。新たにFRレイアウトとなる。
ホンダが2020年のスーパーGTに投入するNSX-GT。新たにFRレイアウトとなる。

●2020年にFR化するクラス1規定NSX-GTの開発の難しさと現在の進捗状況


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